安易におまじないや呪術をやってはいけない理由

人を呪わば穴2つ
誰しも一度はこの言葉を耳にした事があるのではないでしょうか。
現代では一般的な捉え方として
他人を呪って殺そうとすれば、自分もその報いで殺されることになるので、墓穴が二つ必要になる。人を陥れようとすれば自分にも悪いことが起こるというたとえ。
とされています。
ですがこれは本来、単にことわざ的な意味合いだけで使われている言葉ではありません。
この言葉は元々、
おまじない(呪い)、つまり呪術に置ける失敗のリスクの大きさを示す言葉なのです。
以前「そもそもおまじないとは?」という記事にも記載しましたが、おまじないは神仏や上位神霊など人間より遥かに凄まじい力を持った存在に呼び掛け、そしてその力を借りる術です。
成功すれば計り知れない効果を得る事が出来ますが、失敗すればその願いの大きさに比例した反作用が術者自身に跳ね返ってきます。
これが俗に言われる呪い返しという現象です。
呪詛返しという言葉もありますが、これは呪い返しと同義ではありません。
掛けられた呪いを術者に跳ね返す術を呪詛返しと言います。
つまり
呪い返し=おまじない(呪い)・呪術の失敗による反作用
呪詛返し=呪詛を掛けた術者へ呪いを跳ね返す術
と覚えておくと良いでしょう。
少し話が脱線しましたが、忘れないで欲しいのは
おまじない(呪い)には相応のリスクがある
という事。
車・飛行機、発電所など。様々な燃料を使い我々は人間には出来ない凄まじい力を操ります。
ですがその扱いに失敗すればどうでしょう?
車は移動に便利ですが、運転手が制御を誤ればカーブを曲がれずガードレールに追突するでしょう。
飛行機も同様、万が一墜落すれば乗客は死を免れないでしょう。
発電所は私達の生活を支える大きな柱です。しかしその扱いを誤れば取り返しのつかない事態になります。
そう、おまじないは科学と同じなのです。
恋を叶えたい。
人間関係の悩みを解決したい
仕事で成功を収めたい。
長生きしたい。
経済的に豊かになりたい。
人の数だけそれぞれに様々な願いや悩みがあります。
そして昨今、昔と違い、おまじないや呪術に関する情報を書物やインターネット上で数多く集める事が出来る時代となりました。
ですが、ネット上に掲載されている方法が全て正しい情報とは限りません。
行う際は注意を払い、識者に直接聞くなど十分な知識を得てから施行しましょう。
おまじない(呪い)の科学的検証
これまでにもお話しましたが、おまじないとは人の思いの力、つまり《祈りの力》でより上位の存在に呼び掛けその力を得る術です。日本ではあまり信じられていませんが海外ではおまじない、つまり呪術(シャーマニズム)に置ける《人の祈り=祈願》の力が注目され、とても積極的に研究が進められています。
あるアメリカの生殖医学を代表する学術誌である『生殖医学ジャーナル』に「祈りは体外受精・胚移植の成功率に影響を及ぼすか?無作為対照比較実験実験の結果報告」というコロンビア大学医学部産婦人科による研究報告が掲載されました。
その結論は「実験データは、他人による祈りが体外受精胚移植に好影響をもたらすことを示している」と、驚くべきものでした。
この実験は韓国ソウルの病院で体外受精治療を受けた219人をランダムに、祈りを受けるグループと受けないグループに分け、地球の裏側のアメリカ、カナダ、オーストラリアに住む人々に、対象となった女性の妊娠率が上がるように祈ってもらうというものでした。
そして実験は不妊治療を受けている女性たちや、その治療にあたっている病院のスタッフの誰一人この研究について知らない条件で実施されました。
更にデータの公正さを確保するため、実験を計画した研究者直接ではなく韓国の統計学者が女性達のデータを回収し、アメリカの別の統計学者に送り、そのアメリカの統計学者が対象をランダム化して、祈りの対象となる女性の名前や住所などの情報は一切与えずに、写真のみをアメリカ、カナダ、オーストラリアの“他者への祈りに慣れている”プロテスタントの信者による祈祷グループへ送りました。
そして実験が終了して誰が妊娠したかを研究者が確かめ終わるまで、そのランダム化表は誰も見ることが出来ないようにして三重盲検法を実施しました。
※三重盲検法
患者・医師・研究者の三者とも誰が被験者になっているか分からないようにした実験デザインのこと。
新薬の研究などで、新薬と全く薬効のない偽薬とを用意し、患者を新薬を投与するグループと、偽薬を投与するグループに分けて実験する際、患者だけが自分がどちらのグループなのかを知らないのが盲検法。
患者だけでなく治療している医師もどの患者がどちらのグループか知らないのが二重盲検法。
更に研究者自身もどの患者がどのグループに属するか分からないようにするのが三重盲検法。
これによってデータが恣意的に偏ることを防ぐ目的がある。
実験の結果は祈りを受けた女性の妊娠率は50%で、受けなかった女性の26%に対して2倍近くであり、この様な結果が偶然に起こる可能性は1万分の13未満でした。
引用:『心の科学』エリザベス・ロイド・メイヤー(講談社)
このように祈りの力は科学的に作用する事が数値化され、効果が実証されており、おまじない(呪い)・呪術に置き換えても同様の効果が見込めるのです。
そしてその扱いを間違えれば、その凄まじい力は術者にそのまま跳ね返ってくる事を忘れてはいけません。
かくいう私も、実際に過去失敗して手痛い呪い返しの被害に遭ってしまった経験があります。
しつこいようですがおまじない(呪い)を行う際は慎重に慎重を重ね行って下さい。
もし少しでも不安が残るようなら、最近ではそういったリスクを引き受けてくれるこういった呪術代行業者さんもいるようですので、依頼するのも1つの手段でしょう。
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